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風の子通信2020年9月少し昔のこと〜姓

 
 

 今回は私事で恐縮ですが、いま新聞やテレビでも取り上げられている夫婦別姓のことを書いてみようと思います。私は結婚するとき(60年も前の話です)、旧姓から藤田に変わるのがいやでした。旧姓は大矢です。23年間その名前でしたから、大矢姓に愛着もあったのですが、愛着より、どうして女が相手の姓に変えなければならないのか、そこがどうしても不満でした。一人娘で婿養子をとる人もいましたが、それは特別のことであって、私のように兄が3人もいれば、女の私が大矢の姓を継ぐ必要はまったくないし、相手は女きょうだいの中の一人息子でしたから、自分が相手の姓になるなんて考えてもいなかったでしょう。

 私は「ジャンケンで姓を決めよう、もし私が負けたら藤田になるけど、私が勝ったらあなたが大矢になってね」と提案したら「いいよ」と言ってジャンケンに応じてくれたのです。そして私が負けて、私は藤田浩子になりました。彼は、わがままな恋人のお遊びに付き合ってやるかという程度の軽さだったと思います。なにしろそんなジャンケンをしたことすらすぐ忘れてしまって、覚えていなかったのですから。

たとえ私が勝ったとしても、彼は従わなかったでしょう。きっと「そんなばかなこと、できるわけがないだろう」とか「おれの家族が納得する筈がないよ」などと言って押し切ったと思います。そして私も、もし私が勝っても彼は従わないだろうなと、心のどこかで思っていました。私は、ジャンケンに負けたことで、自分を納得させたのです。私がこんなに真剣に思っていることを、男はちっともわかっていない、前途多難だなと思いながら結婚しました。男は今もたいして変わっていないように思いますが、女は変わりました。




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