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2021年7月〜少し昔のこと


南部絵暦

 南部絵暦、通称南部めくら暦という暦をご存じでしょうか(めくらというのは差別的用語ですが、昔からこう呼ばれてきたので、あえてそのまま使わせていただきます。目が見えても字が読めない人のことを「あきめくら」と言ったりしていましたから、こう呼ばれていたのかもしれません)。私が子どものころ、農家にはよく貼ってありました。いつ種を蒔いたらいいか、いつ稲刈りをしたらいいかということや、今年の初午は何月何日か、というようなことが「字」ではなく「絵」で描いてある暦です。字の読めない人が多かったころ重宝したのでしょう。太陽を中心にした今の太陽暦ではなく、月を中心にした太陰暦で描かれています。1か月は28日で、1年が13か月あり、2月が2度あったりします。月を中心にした太陰暦では、3日は三日月だし、15日は満月でしたから、月の満ち欠けで仕事の段取りを考えるお百姓さんには便利だったのでしょう。月はサイコロの目で表し、日は重箱(10)と黒い印で表しています。

田植えや稲刈りは絵を見ればすぐわかるのですが、判じ物みたいでよく考えないとわからない絵もあります。例えば荷を担いでいる泥棒らしき人が描かれているのは「荷奪い」つまり<入梅>です。例えば「塔」にお琴の糸を支ええる「柱(じ)」が描かれてあれば<冬至>です。例えば「差し銭2つ」(紐に通した硬貨、1差し100文)と「砥石」と「蚊」が描いてあれば<二百十日>。「鉢」「重箱」「鉢」「矢」で<八十八夜>」です。

まぁ農家の人たちは、こんな暦を見なくても、そろそろ田起こしをしなければ、そろそろ田に水を張らなければ、苗の育ち具合はどうかな、と毎日が忙しく、頭の中にはその手筈が整っていたことでしょうけれど、たいていの農家には貼ってありました。

 

 




 




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